AIシリーズユ-ザーレポート

第1回 建築家編

第1回は建築家で有限会社ソフトセル建築都市環境研究所 代表取締役の齋藤繁一さんの登場です。東京芸大卒業後に渡英、ロンドンのAAスクールを修了して建築家となり、AIと同じグッドデザイン受賞歴の持ち主です。

現在、多摩美術大学の講師や建築学会の委員も務めて、ご活躍されています。建築家という職業の観点からAIの見え心地について語っていただきました。

1965年生まれ。平成1年東京芸術大学大学美術学部建築科卒業。
平成3年同大学院修了。
平成6年AAスクール(英国建築家協会建築学校)修了。
平成12年有限会社ソフトセル建築都市環境研究所設立。
現在、同社代表取締役、多摩美術大学非常勤講師、東京都立工芸高校市民講師、
日本建築学会子ども教育事業部会委員

齋藤さんのレンズと処方値:AIオリジナル1.67 累進帯長12㎜ 
R) S-3.50 C-0.50 AX 160 ADD1.50 / L) S-4.00 C-0.25 AX 20 ADD1.50

「建築家」とはどの様なお仕事ですか?

「建築家」とは明治時代に輸入されて出来た職業で、英語で建築術や建築学を意味する「Architecture(アーキテクチャ)」の訳語である「建築」からきています。日本では宮大工が一番近い職業だったと思います。分かりやすく言えば建物をデザインする仕事ですが、単に形をつくるだけではなく、お客様の要望を読み取りそれに応える建築物を完成させます。デザイナーであり、アーティストであり、職人でもあるとも言えます。芸術という枠の中で表現手法としては形のないものの代表が「詩」であり、形あるものの代表が「建築」と語られることがあります。ですが形だけでなく、その内外部で繰り広げられる人々の様々な活動こそ、建築家が提案していることなのです。
業務では戸建て住宅や集合住宅という居住系から保育園等の施設や店舗も手がけています。新築だけでなくリノベーション(改修)も含みます。また家具やプロダクトデザインも行い、ミラノ・サローネというイタリアでの展示会にも出展しています。最近は子ども向けワークショップの提案や実施に関わることもありますね。

どの様な流れで建物が出来上がるのですか?

まずはご要望の聞き取りをします。どこまでご要望を聞き取れるか、もれなくご要望にお応えするための仕組みや感性も重要です。家族のプロフィールや趣味などクライアントを深く理解して、言葉の奥に隠れた望みを分析します。
特に都心では敷地や環境の制限がある中で、標準的な建物ではなく、条件が難しい仕事を引き受ける事が多くなっています。クライアントの要望を実現するために、デザインと提案、確認を繰り返します。“コンサルティングして、プランする”という点が特徴で、計画段階から工事までチームワークも必要です。
図面からのイメージは一般の人には分かりづらいので、毎回、ハンドメイドで模型を作ります。CGも有効ですが最終形が立体ですので模型は外せません。住宅では初めは1/100の小さな模型で全体像を把握し、徐々に細部を詰めながら1/50や1/30の大きな模型を作り、デザインを完成させます。

細かい作業が多いのですか?

日々細かい作業が多いですね。模型作り以外にも、設計では一日の多くをPC画面の前で過ごします。小さな線一本、数字ひとつ見間違えられないので、まさに目が命。この仕事では見ることがとても重要です。この年齢になると大きな問題になるのが老眼です。手元が見えづらくなるのは致命的ですから。図面を作る仕事では高い集中力が必要なので、快適に疲れないように作業を続けられることが大事ですし、快適なメガネを手に入れることはとても大切です。自分の周囲の建築家仲間でも、老眼が始まり困っている人がたくさんいます。
たとえばこの1/100模型(写真)では床面に1/100の図面を貼って建築イメージを確認しています。これを見て確認しながらクライアントと打ち合わせをします。計画から現場の指揮まで行いますので、実際に工事になれば現場でも進行を確認します。手元の細かい文字から遠くまできちんと見えることがとても重要なのです。


少数点以下のミリ単位で図面を書く設計のお仕事。長時間パソコンに向かうので、快適で疲れないメガネが不可欠です。


1/100スケールの模型。窓の大きさや階段といった細部まで精巧に作り上げることで、そこに住む方にほぼ実際の完成イメージを伝えることができます。

今回、初めての遠近両用レンズですが、かけてみていかがでしたか?

全く違和感なくかけられて驚きました。
パソコン画面もハッキリと見えるようになりとても快適です。長時間PCに向かうので、パソコン作業で疲れなくなったのが嬉しいですね。
遠くもよく見えるので満足しています。遠近両用メガネは慣れるのに時間がかかると聞いていましたが、問題なくかけられました。
今回メガネを作ってみて、何十億通りもある度数から自分に合った専用の度数を選ぶことの重要性を実感しました。また、ニコンAIオリジナルは、自分の右目と左目の度数に合わせて注文してから設計されることを知って驚きました。ここまでやるところにニコンのこだわりが見えますね。このこだわりには、建築家との共通点を感じます。住宅メーカーにある既存の設計とは違い、出来上がった最後のものが完成形です。オーダーメイドで作られる、目には見えないレンズの設計のこだわりに強く惹かれます。

メガネをかけ始めたのはいつからですか?メガネ歴をお聞かせください。

スポーツ(テニス)をしていたので中学の頃からコンタクトレンズをかけていましたが、大学の頃にドライアイになり、それからメガネをかけるようになりました。(近視なので)遠くが見えるようになるのは簡単でしたが、老眼になると大変です。
最近では見え心地に満足できない事が多くなり、どこでいいレンズを手に入れられるのか分からず困っていました。僕のような人は多いはずなので、こういったこだわりのあるレンズをもっと紹介したらいいのに!と思います。フレーム選び以上にレンズ選びは重要なのですよね。

過去にグッドデザイン賞を受賞したそうですね。

都市部における三世代二世帯住宅のありかたをコンセプトとしたデザインで2009年に受賞しました。AIはグッドデザイン特別賞にも選ばれたそうですね。おめでとうございます。今回、メガネを作るプロセスを知り、建築とよく似ていると思いました。要望を聞き、それに応えるメガネを作っていく「デザイン」というプロセス。検眼やレンズ選びはまるで建築デザインのようなプロセスでした。
「検眼したらこのような眼でした。この要望に応えるにはこんなレンズがある。」という説明はとても新鮮で納得がいくものでした。こういった知識がもっと知られるようになれば、メガネ選びも楽しくなるはず。
建築は完成したものを手に入れるケースもあれば、ゼロから理想の家を建てるケースもあります。人生で3回家を建てれば最後に満足する自分の理想の家を手に入れることができると言われることがあります。メガネも似ているのではないでしょうか。老眼になったら自分の要望に応えられるオーダーメイドのレンズを作るのが理想でしょう。


普段はスーツを着ることが多いという齋藤さん。
ブラック&ホワイトを基調としたコーディネートとスタイリッシュなメガネの組み合わせが個性をひき立てています。


都市部における三世代二世帯住宅の提案で2009年グッドデザイン賞を受賞。そのためのコンセプトは、アクティビティから派生する空間づくり。
二世帯・三世代が住うこと、また将来の展開を考慮して、都市生活に必要な機能を包込みながら、住み手が独自に生活の仕方を規定する事が出来るよう計画したといいます。

株式会社 ニコン・エシロール